ノミとの上手な暮らし方

気温が高くなる時期はノミが大繁殖!

ノミは犬や猫の体に寄生する外部寄生虫。2~3mmの小さな体で犬や猫の体毛に隠れて体表を動き回ります。卵は外気が13度以上あれば孵化し、温暖で湿度の高いところを好むため、春から夏にかけて繁殖のピークに。成長したノミは1日に20~30個の卵を産むので、短期間で爆発的に増えてしまいます。成虫は動物の体に寄生しますが、卵や幼虫は体から落ちて床やカーペットなど家の中に潜む可能性もあります。

ノミが引き起こす症状と健康被害

ノミの成虫は動物の血液を吸います。吸血されると犬や猫には激しいかゆみが引き起こり、皮膚の化膿やノミの唾液によるアレルギー性皮膚炎などの皮膚トラブル、大量のノミに血を吸われることで貧血を起こすことも。ノミの体内には「瓜実条虫(サナダムシ)」の幼虫が潜んでいることもあり、そのノミを犬や猫が口に入れることで瓜実条虫が小腸に寄生し、体重減少や下痢の原因に。

犬の場合:草むらに近寄らない&予防薬で事前に対策

お散歩のコースにノミが潜んでいる可能性が高い草むらや草が生い茂った場所がある場合は、そこを避けて通るように。特に山林や河川敷の草地にはノミだけでなくマダニが潜んでいることもあるので注意が必要です。ノミやマダニの予防をするための薬やノミ取り首輪などの対策グッズも販売されているので、心配な方はかかりつけの獣医師に相談して処方してもらいましょう。

●ワンポイントアドバイス(ブラッシングとシャンプーでノミを早期発見)
犬の体に1匹でもノミの姿が見つかれば、既に大量繁殖している可能性があります。そこでブラッシングをしながら、体にノミがいないか、皮膚が赤くなっていないかをチェック。ノミを見つけた際にしてはいけないことが潰すこと。爪にノミの幼虫が付き、人に寄生してしまうことがあります。犬の体にノミが見つかった場合は、まずはシャンプーをして取り除きましょう。1回のシャンプーでは完全にノミを除去することはできないので、専用の駆虫薬で駆除をすること。

猫の場合:毎日の掃除で成虫ノミと卵を除去

室内で過ごす猫をノミから守るには、部屋を清潔に保つことが一番。カーペットやソファ、フローリングの目、部屋の隅など、ノミが潜んでいる可能性が高いところは特に念入りに掃除しておくこと。掃除機のフィルターの中でノミが生息していることもあるので、ゴミは早めに処分を。猫が普段使っている毛布やクッション類も、天日干しするなどして日光殺菌をしておくと良いでしょう。

●ニャンポイントアドバイス(定期的な投薬で1年を通して徹底的にノミ対策を)
ノミは卵→幼虫→さなぎ→成虫というライフサイクルにより、暖かい室内では1年を通して繁殖することができます。毎日こまめに掃除をしてどんなに気をつけていても、全てのライフステージのノミを除去することは困難です。定期的にノミ予防薬を投与することで、総合的にノミを予防するという方法もあります。特に他にも同居している猫や犬がいる場合にはノミの寄生が延々と継続してしまうことがあるので、薬を使った確実な対策でノミの繁殖を予防しましょう。